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蓮舫「二重国籍」報道[法学研究(民法家族法を中心として)]

投稿日時:2016/09/09(金) 07:28


蓮舫「二重国籍」報道はグロテスクな純血主義にもとづく差別攻撃だ! さらにはガセの可能性も浮上 

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0908/ltr_160908_0818815203.html から引用


「二重国籍者に野党第1党の代表の資格があるのか」「他国の国籍を持っている人間がなぜ日本の政治家をやっているのか」「中華民国人を大臣にしていた民進党は責任をとれ」

 

 民進党代表選に出馬した蓮舫参院議員の「二重国籍」疑惑で、保守派メディアやネット右翼が狂喜乱舞して、蓮舫叩きに血道をあげている。

 

 最初に断っておくが、本サイトは「私はバリバリの保守」などと胸を張り、「(安保法を)『戦争法案』と言うのは私はむしろミスリードをする言い方だったと思っています」などというセリフを平気で口にする最近の蓮舫氏の政治的スタンスに対して批判的であり、政治的に彼女を擁護したいとはまったく考えていない。

 

 しかし、この国籍をめぐる炎上事件に関しては、どう考えても蓮舫氏を攻撃している側がおかしい。その行為はむしろ、この国にはびこるグロテスクな純血主義がむき出しになった人種差別としか思えないものだ。

 


■アゴラ・産経の根拠は? 二重国籍はありえないの見方も

 

 その理由を説明する前に事実関係と報道の経緯を簡単に振り返っておこう。蓮舫氏は1967年、台湾出身の父親と日本人の母親との日本で生まれたが、当時の国籍法では日本国籍の取得は父親が日本国籍をもつ場合のみに限られていたため、台湾国籍になっていた。だが、85年、国籍法が母方の国籍も選べるように改正・施行されたため、日本国籍を取得している。

 

 ところが、先月末、元通産官僚の評論家・八幡和郎氏がいきなり、ウェブサイト「アゴラ」や産経系の夕刊フジで、蓮舫氏が台湾国籍を離脱しておらず、日本と台湾の二重国籍のままになっている疑惑を指摘。これに産経新聞が丸乗りして、連日ウェブ版で大報道を展開し、代表選の立候補会見でもこの問題を質問するなどしたため、どんどん騒ぎが大きくなっていったのである。そして、とうとう蓮舫氏サイドが「除籍が確認できない」としてあらためて台湾籍の放棄の手続きを行う事態となった。

 

 しかし、そもそも蓮舫氏が二重国籍、というのは本当なのか。ただ「国籍放棄の確認がとれていない」と繰り返すだけで、八幡氏が最初に疑惑があるとした根拠も、産経がそれに丸乗りした理由も、一切書かれていないため、両者がどういう根拠にもとづいているのかは不明だが、実は蓮舫氏についてはかなり前から、官邸や内閣情報調査室の関係者がしきりにマスコミに「国籍問題」をほのめかしていたという情報もある。

 

 だが、ここにきて、この「二重国籍」疑惑はあり得ない話という見方も出てきている。

 

 時事通信などが7日付で、〈日本政府の見解では、日本は台湾と国交がないため、台湾籍の人には中国の法律が適用される。中国の国籍法では「外国籍を取得した者は中国籍を自動的に失う」と定めて〉いると報じたからだ。読売新聞も7日付の記事で〈台湾籍を持つ人は日本では中国籍と扱われる。法務省によると、中国の国籍法は「中国国外に定住している中国人で、自己の意思で外国籍に入籍、または取得した者は中国籍を自動的に失う」と規定している〉と、同様の趣旨の記事を報じている。

 

 つまり、蓮舫氏が85年に日本国籍を取得していたとすると、そのとき自動的に中国の法令に基づいて台湾籍(中国籍)は失っており、二重国籍というのはありえないことになる。

 

 一方、八幡氏はこうした報道自体を「知識のない記者が聞きかじりで書いた記事」と否定しているが、複数の新聞や通信社が一斉に同内容の記事を書いているということは、普通に考えれば、法務省当局のブリーフィングがあったと見るべきだろう。

 


■そもそも大騒ぎするのがおかしい! 専門家も問題なしの見解

 

 また、仮に蓮舫氏が「アゴラ」や産経が述べるとおり、85年の日本国籍取得の際に台湾国籍を離脱しておらず、結果、いままで「二重国籍」であったとしても、これはそこまで目くじらをたてるような問題なのか。

 

 たしかに、「国籍単一の原則」をとる日本では重国籍は認められておらず、85年施行の改正国籍法には、20歳未満の重国籍者には22歳までに国籍を選択させるように定め、〈選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない〉(第16条)という規定が設けられている。そして、国籍選択をしなかった場合、法務大臣は書面で国籍の選択を「催告」することができ、そのうえで「催告」を受けても1カ月以内に選択しないとき、日本国籍を失うとされている(第15条)。

 

 しかし、実際の国籍法の運用実態はまったく違う。第16条は「努力規定」的な運用しかされておらず、第15条でいう法務大臣による「催告」も、少なくとも施行から16年が経過した2001年の段階まで、法務省は「これまで一度もない」と回答している(柳原滋夫「永住外国人地方参政権問題でクローズアップ 宇多田ヒカルもフジモリ前大統領も 『二重国籍』容認が国を変える」/講談社「月刊現代」01年7月号)。

 

 国籍法に詳しい近藤敦名城大教授も、朝日新聞9月8日付でこう解説している。

 

「日本の国籍法は二重国籍保持者の外国籍の離脱について、努力義務のような規定になっており、より厳格に運用することは現実的ではない。世界的な潮流として複数の国籍を認める国が増えており、知らずに二重国籍のままというケースも多い。仮に二重国籍があったとしても、日本の国会議員、首相や大臣になる上での法的な禁止規定はなく、有権者がどう判断するかだ」

 

 今日の『スッキリ!!』(日本テレビ)でも、やはり国際法に詳しい五十部紀英弁護士がこう解説していた。

 

「日本国籍を選択した時点で、台湾の籍は日本の法上ではなくなるということになります。台湾で国籍が残っているかどうかは、台湾側の判断ということになります。日本においては二重国籍の問題は生じない可能性が高いと思います」

 

 これが国際法の専門家の常識なのだ。むしろ、蓮舫は前近代的な父系血統主義の旧国籍法の被害者と言うべきだろう。

 


■あのK・ギルバートまでが「人種差別」と批判!︎

 

 ところが、「アゴラ」や産経新聞はひたすらこの「二重国籍」疑惑を煽り、"アンチ民進党"のネット右翼たちに火をつけ、ツイッターではいま、蓮舫氏だけではなく重国籍者全体まで標的とするこんな恫喝や虐殺扇動が溢れかえっているのだ。

 

〈なりすましエセ日本人め。日本から出て行け〉〈支那に帰れ!日本人の振りして図々しいチャイナ女〉〈スパイ蓮舫ははやく親元の中国共産党に帰って死刑されろよ〉〈スパイとして射殺出来るように法整備した方がいいよ〉〈逮捕して国籍剥奪して、スパイとして殺処分を希望します〉

 

 いったい何を言っているのだろう。国籍を根拠に「殺せ」などと煽りたてるのはヘイトスピーチ、ヘイトクライムにほかならないし、当たり前だが「スパイ」に国籍は関係ない。しかも連中は重国籍の法的位置づけを問題視しているのではなく、明らかに"日本人ではない"とレッテル貼りをして狂気の雄叫びをあげているのだ。このネトウヨ思想の背景にあるのは、推定68万人いると言われる重国籍者(朝日新聞14年7月6日付)や日本で暮らす非日本国籍者に対する排除の眼差しだ。それは同時に「日本国籍者は国家に忠誠を誓わなければならない」という時代錯誤の国家観を意味する。

 

 しかも、これはなにもファナティックなネトウヨだけの話ではない。こうしたグロテスクな純血主義、差別主義は「アゴラ」や産経新聞にも通底している。たとえば前述の八幡氏は国籍とは無関係に、蓮舫氏をこう攻撃しているのだ。

 

〈村田蓮舫という本名があるのに、頑として村田姓を使わないし、子供にも中国人らしい名前しか付けなかった華人意識のかたまりである〉(「アゴラ」8月29日付)
〈もちろん、違法な二重国籍だったことがないとしても、蓮舫さんには、村田蓮舫という本名を使われないとか、日本文化に対する愛着を示されていないとか、尖閣について領土問題と表現されたように、日中間の国際問題についての見解などに問題があることに変化はない〉(同9月5日付)
〈どの国でも、生まれながらの国民でない人物を、政府のトップにするような物好きな国民はめったにない〉(「ZAKZAK」8月30日付)

 

 結局、「アゴラ」や産経新聞は「二重国籍」疑惑を特ダネ扱いして鬼の首をとったかのように騒ぎ立てているが、その根っこにあるのは純血思想と排外主義、差別主義であることがよくわかる。とりわけ、蓮舫氏の子どもまで「中国人らしい名前」などと標的にし、「華人意識のかたまり」とレッテル貼りをするのは、どう考えても異常だ。日本国籍を取得していたとしても、自分のルーツに想いをはせて子どもの名前をつけることはちっともおかしいことではないし、日本人の中にも大陸由来の名前をつけるケースは決して少なくない。だいたい、政治家や企業経営者などは孔子の論語の一節をことあるごとに引用するが、八幡氏に言わせればそれも「華人意識のかたまり」になるとでもいうのか。

 

 また産経新聞は9月7日付で、インタビューで「二重国籍」を否定した蓮舫氏に対し、〈ただ、蓮舫氏の国籍手続きを行った父親は台湾籍を離脱していないことも明らかにし、「二重国籍」疑惑はさらに深まっている〉などと書いている。しかし、いうまでもなく父親が台湾籍を離脱するか否かは蓮舫氏の国籍選択とはまったく無関係だ。つまり産経は"蓮舫の父親は日本人じゃないから蓮舫も日本人じゃない"と言っているのである。これは完全に"ハーフ"に対する差別である。

 

 つまるところ、こういうことだろう。「アゴラ」や産経新聞にとって、蓮舫氏の国籍法上の疑惑追及は建前で、結局、父系血統主義というイデオロギーをばらまき、血統による差別を正当化しようとしているにすぎない。はっきり言って、「エセ日本人を殺せ」などと叫んでいるネトウヨと大差ないのだ。

 


■テロやスパイの危険性と「重国籍」は無関係だ!︎

 

 しかも、世界はいま、連中ががなり立てる父系血統主義というカルトとは真逆の方向性を打ち出している。事実、重国籍を認めている国はおおよそ半数にも及び、先進国でもアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、カナダ、スイスなど欧米を中心にかなりの数にのぼる。重国籍の政治家も珍しくない。たとえば元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーがアメリカとオーストリアの二重国籍者であることは有名だ。一国の政治のトップでも、ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領(ペルーと日本)やタイのアピシット・ウェーチャチーワ元首相(タイとイギリス)などの例がある。加えれば、「イギリスのトランプ」とも言われるバリバリの保守タカ派政治家、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長も英米の重国籍者だ。

 

 保守派が主張する"「純血」=「国家への忠誠心」"というのがカルト的な幻想であるのは自明だろう(ちなみに、最近保守論客の仲間入りを果たしたケント・ギルバート氏ですら、今回の件に関してはCS番組で「人種差別に聞こえる」と珍しくまっとうなことを言っている)。

 

 なお、ヨーロッパでは60年代までは二重国籍に否定的であったが、97年のヨーロッパ国際条約では肯定的に変化した。これは、国際結婚やEU国間の自由移動、移住労働者の増加や定住などの現実に即したものだ。また、二重国籍のメリットとしては、諸分野で活躍した者が「母国」に帰国しやすく経済効果をもたらすことや、複数のアイデンティティをもつことで国家間の摩擦を防止することなどが挙げられている。

 

 他方、保守派やネトウヨは重国籍を認めるデメリットとして「テロを誘発する」などと喧伝する。ツイッターでもこのような主張がよく見られた。

 

〈二重国籍はスパイによる情報流出およびテロの危険性が増すのでは?〉〈日本国籍と他国籍を持つ者が、2つのパスポートを使い日本に簡単に入国してテロをする可能性も否定出来ない。この二重国籍問題は大きな問題にするべきです〉〈事実上二重国籍は放置状態であり、従って犯罪、テロ、スパイ、脱税などもやり放題状態だと推測されます。これは安全保障上の懸案事項である以上早急に手を打つ必要があります〉

 

 見当違いも甚だしい。たとえば二重国籍を認めているフランスでは、昨年のパリ同時テロ事件を受けてフランソワ・オランド大統領がテロ関連の罪で有罪になった者から国籍を剥奪する内容を含む改憲案を示し、激しい批判にあった。フランスの歴史人口学者・家族人類学者であるエマニュエル・トッド氏は、朝日新聞のインタビューでこのように断じている。

 

「テロへの対策としてもばかげています。想像してください。自爆テロを考える若者が、国籍剥奪を恐れてテロをやめようと思うでしょうか。逆に、国籍剥奪の法律などをつくれば、反発からテロを促すでしょう」(16年2月11日付)

 

 すなわち、「アゴラ」や産経新聞、ネトウヨたちは、カルト的な血統主義をふりかざすことが共同体の分断を生み、かえって国家を危険にさらすということをまったく理解していないのだ。言い換えれば、蓮舫氏の「二重国籍」疑惑をあげつらって「国家への忠誠心がない」などとほざいている連中のほうこそ、結局、グロテスクな差別主義をむき出しにすることで「国益」を害しているのである。

 


■なぜ民進党は保守派の差別攻撃をはねつけないのか︎

 

 いや、問題なのは、保守系メディアだけではない。党の蓮舫氏や民進党の対応もおかしい。蓮舫氏に対しては、民進党内からも「代表の資格はない」「説明責任を果たすべきだ」などとの声が出ており、蓮舫氏自身も「生まれたときから日本人」などと強調して慌てて台湾政府へ除籍を申告するなど火消しに必死だ。

 

 しかし、民進党は、民主党時代の2009年マニフェストのなかで〈就労や生活、父母の介護などのために両国間を往来する機会が多い、両親双方の国籍を自らのアイデンティティとして引き継ぎたいなど〉の要望を踏まえ、重国籍を認める国籍制度変更の方針を打ち出していたのではなかったか。

 

 本来は、民進党も蓮舫氏もこんな差別的攻撃に弁明する必要なんてまったくなく、寛容な多様性のある社会の構築を打ち出していくべきなのである。それを保守メディアやネトウヨに煽られて「日本人」を強調し、逆に蓮舫氏に説明責任を求めているのだから、開いた口がふさがらない。「二重国籍」云々より、こうした対応のほうが、よっぽど有権者からの信頼を失うことがわからないのか。

 

 いや、民進党のことなんてどうでもいい。問題は時代錯誤で差別的な純血主義のイデオロギーがまるで正論であるかのように、この国全体を覆いつつあることだ。わたしたちはこの差別思想が何よりいちばん危険であることに気づくべきだろう。
(小杉みすず)

スクーリング 刑事政策②20160319~[大学関連記録]

投稿日時:2016/03/19(土) 01:28

スクーリング 201603 19 20 21

科目名 刑事政策②
担当教員 岩崎 正

授業概要・方法等
◆授業概要
刑事政策とは、社会現象としての犯罪をあらゆる角度から実証的に検証し、犯罪防止のための対策や刑事制裁の内容などについて学ぶ科目です。
◆授業の方法
主に、テキストおよびレジュメ等の配布資料を用いて行います。
学習・教育目標及び到達目標 刑事政策に関する基本的な知識を修得する。
成績評価方法および基準 単位修了試験100%
授業時間外に必要な学修
テキストの該当箇所を一読するとともに、刑事事件に関するニュース・報道に関心を払うようにしてください。

教科書
[ISBN]9784641042971 『入門刑事法 第5版』 三井誠、曽根威彦、瀬川晃/編  有斐閣 平成25年12月 価格:本体2,500円+税
とくに、「第3章 刑事学」の部分を読んでおいて下さい。

授業計画の項目・内容
第1回「刑事政策」とは
第2回わが国の犯罪状況の概観
第3回なぜ人は犯罪を犯すのか①
第4回なぜ人は犯罪を犯すのか②
第5回司法的処遇①捜査段階
第6回司法的処遇②公判・裁判段階
第7回刑罰とは
第8回刑罰の種類・内容①
第9回刑罰の種類・内容②
第10回犯罪者に対する処遇①
第11回犯罪者に対する処遇②
第12回少年犯罪について
第13回犯罪被害者について
第14回その他の各種犯罪とその対策
第15回まとめ
単位修了試験

「刑法各論②」 2014年10月・11月のスクーリング[法学研究(民法家族法を中心として)]

投稿日時:2014/10/03(金) 13:43

「刑法各論②」 2014年10月~のスクーリング覚書


開講の日程

2014/10/18(土) 09:30~17:00 初日

2014/10/25(土)  09:30~17:00 2日目

2014/11/ 8(土)  09:30~17:00 最終日


講義の覚書・シラバス

 

科目名 刑法各論②
シラバスNO 1441100134
担当教員 神田 宏
開講年次 3年次

 

授業概要・方法等
この授業では,刑法第二編「罪」に定められた犯罪の個別的な成立要件について, 判例・学説を紹介しながら講述します。
この授業は, 講義の形式によります。スライドショーを素材に講述します。自習用に教科書を指定するほか, 参考書もいくつか指示しますので, これらをもとに予習復習を怠らないことが大切です。

 

学習・教育目標及び到達目標
受講者は, この授業を履修することで,
1)刑法の基本原則および犯罪論体系を踏まえて, 犯罪を類型的に考察し;
2)各犯罪の構成要件要素を条文に則して明らかにし;
3)各犯罪の成立要件に関する主要な判例・学説を説明
することができます。

 

成績評価方法および基準
単位修了試験 50%
中間試験 40%
授業への取り組み(ポップクイズ, ショートテスト, ミニッツペーパーなど) 10%

 

授業時間外に必要な学修
1)授業時間中に指示した課題(レポートやポップクイズなど)に取り組むこと。
2)新聞や雑誌などの犯罪報道に目を通し刑法的問題点を洗い出すこと。
3)ケースブック, 判例集や判例評釈などを通じて判例の動向を調べること。

 

教科書
井田良 『入門刑法学・各論』 有斐閣 定価:2,400円+税
 (教科書は購入済)
配布レジュメ(スライドショー, 判例集)
六法

 

参考文献
井田良『基礎から学ぶ刑事法』(有斐閣)
井田良『刑法各論 第2版 (新・論点講義シリーズ2)』(弘文堂)
前田雅英『刑法各論講義』(東京大学出版会)
斎藤信治『刑法各論』(有斐閣)
山中敬一『刑法各論』(成文堂)
「別冊ジュリスト刑法I 各論 判例百選」(有斐閣)

 

関連科目
刑事法入門, 刑法総論, 刑事訴訟法, 刑事政策

 

授業計画の項目・内容
第1回 刑法各論の概要(オリエンテーション)
第2回 犯罪論の基本原理(罪刑法定主義・補充性・客観主義)と犯罪論体系
第3回 刑法における人・社会・国家
第4回 個人的法益に対する罪 (1) 殺人罪
第5回 個人的法益に対する罪 (2) 傷害罪
第6回 個人的法益に対する罪 (3)逮捕監禁罪・住居侵入罪
第7回 個人的法益に対する罪のまとめ (1) 生命・身体・自由に対する罪の総括
第8回 個人的法益に対する罪 (4) 財産犯総論
第9回 個人的法益に対する罪 (5) 財産犯各論 (1) 窃盗・強盗
第10回 個人的法益に対する罪 (6) 財産犯各論 (2) 詐欺・恐喝・横領
第11回 個人的法益に対する罪のまとめ (2) 財産に対する罪の総括
第12回 社会的法益に対する罪 (1) 放火罪
第13回 社会的法益に対する罪 (2) わいせつの罪
第14回 社会的法益に対する罪 (3) 偽造罪
第15回 国家的法益に対する罪

 


 

20140713「不動産登記法」の単位認定試験問題の解答案[法学研究(民法家族法を中心として)]

投稿日時:2014/07/12(土) 22:31

7月13日はスクーリングの最終日で、単位認定試験が実施される。

試験は、以下の通りの問題が出題されるとのことで、回答をまとめてみた。

あとは、これを覚えて、答案用紙に記載するだけです。

最近、記憶力が落ちてきていますので、不安なのですが、何度か書いて覚えます。(解答内容は、よく理解してます。)

 


 

20140713不動産登記法の単位認定試験

 

【試験問題】
虚偽な登記の出現を防ぐため、不動産登記法は、登記申請手続きの際どのような仕組みを採っているか説明せよ。

【問題解答】

登記には「公信力」がないとされている。また、権利登記においては、登記官に「形式的審査権」しか与えていない。
このような状況下では「虚偽な登記」の出現は防ぎきれないため、不動産登記法は、登記申請手続きの際に次のような仕組みを採用している。

 

第1に、不動産登記法60条には、登記の「真正」を担保するため、登記義務者と登記権利者の「共同申請」を規定している。
 

第2に、登記申請書に、①登記義務者に「印鑑証明書」の添付提出、②登記権利者に「住所証明書」の添付提出を義務付けている。これは登記申請人らの公的証明書による「本人確認」を通じて、登記の「真正」を担保する目的があると言える。
 

第3に、「登記済証の提出」又は「登記識別情報の提供」を義務付けていることである。従前は「登記済証」が紛失等で提出できない場合は、「保証書」を提出することで処理がされていたが、新法(平成17年度~)ではこの「保証書」制度を廃止した。
「登記済証の提出」又は「登記識別情報の提供」の義務付けは、登記申請時における「登記義務者」=「登記権利者」の同一性の確認を通じて、「なりすまし」による虚偽登記を防止する目的がある。なお、紛失等により「書面の提出・情報の提供」ができない場合は、「事前通知制度」等が設けられている。

 

第4に、申請人以外の者の申請と「疑うに足りる相当な理由」があるときは、登記官による「職権審査」の権利義務の行使が認められている。

 

以上の仕組みを採用して、虚偽な登記の出現を防止しているのである。

 


 

「不動産登記法」スクーリング第1日目[法学研究(民法家族法を中心として)]

投稿日時:2014/07/05(土) 21:25

「不動産登記法」スクーリング第1日目

 

 初日であったので、手続法である「不動産登記法」のさわりと、「民法176・177条」についての講義。

民法の物権法の復習みたいであった。と言っても、昨年の物権法の講義は、かなり忘れていて、少し思い出した程度。

時々「再学習」しないと、忘れるものである。

昨年の物権法では、「民法177条」規定の、第三者に対する対抗要件となる登記について、よく理解したつもりだったのですが・・・残念。

講師は、弁護士資格を持つ下村先生。

評価は、講義内の小テストと最終の単位認定試験の総合評価です。「落とすための試験でない」とのことですので、全日出席すれば、単位は取得できると考えてます。

まあ、せっかくの機会なので、「不動産登記法」の基本をマスターします。

 


科目名:不動産登記法
担当教員:下村 泰

授業概要・方法等
不動産登記という制度について、その仕組みや手続を民法との関連で、どう理解するかに重点をおきながら制度の意義と構造を学習する。

学習・教育目標及び到達目標
不動産登記という制度のもつ意味を理解し、不動産取引の安全の為に、民法177条が機能する場面を考える。

成績評価方法および基準
小テストと筆記試験の総合評価による。 100%

教科書
齊藤隆夫 『集中講義 不動産登記法[第3版]』 成文堂 定価:3,500円+税

授業計画の項目・内容
不動産登記法と物権法との関連を明らかにし、登記のもつ意味を手続面と実体面から講義する。

第1回 不動産登記の意義
不動産物権変動の公示の必要性、公示方法(対抗要件主義か、効力発生要件主義か)

第2回 表示に関する登記と権利に関する登記
表示に関する登記は、職権主義がとられ、登記官に実質的審査権が付与されている。権利に関する登記は申請主義がとられている。

第3回 登記はいかなる場合に必要か
(1)登記を要する不動産
(2)登記を要する権利
(3)登記を要する権利変動

第4回 登記をすれば、どのような効力を生ずるか(1)
(1)対抗力・・・意思主義と対抗要件主義
(2)権利推定力
(3)形式的確定力

第5回 登記をすれば、どのような効力を生ずるか(2)
対抗力 民法177条の第3者の範囲

第6回 不動産賃借権と対抗要件
民法605条及び借地借家法10条
賃貸不動産の譲渡は賃貸人の地位の移転を伴うか

第7回 物権変動と登記が特に問題となる場面(1)
(1)取消と登記
(2)解除と登記
(3)時効取得と登記

第8回 物権変動と登記が特に問題となる場面(2)
相続と登記(1)相続放棄と登記
(2)遺産分割と登記

第9回 登記と公信力
民法94条2項の類推適用

第10回 登記が効力をもつための要件(1)
登記の有効要件
(実質的有効要件、登記が実体関係と符号しているか)

第11回 登記が効力をもつための要件(2)
登記の形式的有効要件
(1)二重登記
(2)登記申請意思に瑕疵のある場合

第12回 登記はどのように行われるか
申請主義、共同申請主義、登記申請行為の法的性質 登記申請能力(行為能力は必要か)

第13回 不動産登記手続の概説
登記申請の方法、申請情報、添付情報について

第14回 所有権に関する登記
(1)所有権移転、保存、更生、抹消の各登記
(2)買戻権に関する登記

第15回 相続による登記・仮登記
相続による登記の仕方及び仮登記のもつ担保的機能

定期試験


 

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