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朝日新聞2014年11月08日朝刊「天声人語」から[徒然日記]
投稿日時:2014/11/13(木) 00:32
朝日新聞2014年11月08日朝刊「天声人語」からの転載
原発と人間の寓話
ある男が美しい妻と仲むつまじく幸福に暮らしていた。ところが、犬に脅かされて妻が狐(きつね)の正体をあらわす――。評論家の故加藤周一さんがかつて、本紙連載の「夕陽妄語(せきようもうご)」でこんな説話に触れていた。「嘘(うそ)について」と題した一編だ。
狐にだまされていたと知って男は驚く。しかし、だまされていたときの幸福を忘れられず、もう一度化けてくれと頼み、狐も応じる――。類似の民話は各地にあろう。
狐が化けていた妻を原発に置き換えてみたい。福島の事故で安全神話のまじないは解け、正体が露(あら)わになった。それなのに昔が忘れられず「もう一度化けてくれ」と頼み込む。人の心の機微を突く古い民話は、現代の寓話(ぐうわ)でもある。
鹿児島県の議会と知事が九州電力川内(せんだい)原発の再稼働に同意した。「地元の同意」を得て歯車は回りだす。経済優先の変わらぬ国政。動かすほど儲(もう)かるという電力会社の変わらぬ意識。地元経済の原発依存も変わらない。そうしたものが渦を巻いて、原発回帰へと日本を流していく。
住民の避難計画も大きな不安を抱えたままだ。理屈ばかりで役に立たない訓練を畳水練(たたみすいれん)と呼ぶ。畳の上の水泳訓練の意味だが、その「理屈」にあたる計画作りも、国は地元に任せ切った格好だ。
加藤さんの話に戻れば、もう一度化けた狐の妻と男は、その後幸せに暮らしたという。物語は美しく現実は厳しい。地震と火山の国の原発は、事あれば幾万の幸せをたちまち吹き消してしまう。福島から学んだ、つらい教訓である。
(2014年11月08日 朝刊)
民法772条の嫡出推定の気になる記事[法学研究(民法家族法を中心として)]
投稿日時:2014/10/31(金) 07:59
民法772条の嫡出推定の気になる記事。
http://biz-journal.jp/2014/09/post_5973.html より転載。
戸籍上の父は性行為の日で決まる?DNA鑑定のみで親子関係を決められないワケ 文=江端智一
筆者提供
こんにちは。江端智一です。
今回のテーマとしては
・性同一性障害の施術で女性から男性になった人は、法律上および血縁上の父親になれるか?
・男性から女性になった人は、赤ちゃんを産むことができるか?
という2点について、最近の裁判例と、iPS細胞などの技術的観点からお話ししたいと思っていました。
しかし、調べているうちに、この問題を理解するためには、どうしても民法772条の「嫡出の推定」を深く理解する必要があることがわかってきました。そこで、いったん「性同一性障害」から離れて、この法律の内容と、併せてその法律によって生じる「300日問題」についてお話ししたいと思います。
●民法における父の推定
「血は水よりも濃い」「産みの親より育ての親」、この2つのことわざは矛盾していますが、私たちはケースに応じて使い分けます。これは、司法の判断においても同じようです。
最近は、ここにDNA鑑定という、生物学的な親子関係を確定する技術が登場してきたことで、問題をさらにややこしいものにしています。
「親子」を定義することは大変難しいのです。実際に民法を読んでみますと、この難しさがよくわかります。
第772条には、次のように規定されています。
第1項 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
江端解釈「結婚中に妻が妊娠した場合、その子どもの血縁上の父がどこの誰であろうとも、今結婚している夫の子として戸籍に記載する。文句があるなら訴えを起こして取り消しなさい」
「推定」とは、「暫定的に、そうしておく」ことで、「訴えを起こせば、ひっくり返せる可能性がある」という意味の法律用語です。母が出産によって確定的に決まるのに対して、子どもを生む能力のない父の身分は不安定なのです。
第2項 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
江端解釈「結婚後200日を経過する前に生まれた子の父親は、今結婚している夫の子としては戸籍に記載しない。文句があるなら、夫はその子どもを認知しなさい。離婚後、300日を経過する前に生まれた子どもの父親は、今、誰と結婚していようとも、前夫として戸籍に記載する。文句があるなら訴えを起こして取り消しなさい」
これが、いわゆる「300日問題」の原因になっています。
「推定される」「推定されない」の2つ以外にも、「推定が及ばない」という状態もあります。これは、事実上離婚状態で性的関係がまったくなかった、DNAで親子関係を否定する検査結果がある、夫が長期海外出張中または服役中などの場合は、772条の要件にピッタリ当てはまっても、推定を受けない場合があります。
それにしても、昔ならともかく、夫の子についてもDNA鑑定の事実だけで確定してもいいのではないかとは思いませんか?
ところが、DNA鑑定だけに頼ると困ったことが起こるのです。
仮に、上記の推定がないとすると、いつでも誰でも、法律上の父子関係を否定できてしまいます。例えば、ある資産家が死亡した後に、その遺産を相続する子どもが、親戚からDNA鑑定を強要され、血縁上の親子でないことが確定すると、いきなり相続人の身分を失うことになります。これは、現状の我が国の家族や相続などの制度を根底から揺がせることになります。
また、このような父子関係に対する疑いを、いつでも誰でも申し立てることができるとすれば、その家庭の中の、特にその子どもの平穏とプライバシーは、風前の灯です。
従って、父親とされた推定をひっくり返すためには、単なる届け出では足りず、以下のような訴えや調停を行うことが必要になります。
(1)戸籍上の父から、子または母への「自分の子ではない」という否認手続(嫡出否認の手続き)によるもの。「推定される」場合に使える手段で、さらに子の出生から1年以内という制限があります。
(2)子、母、血縁上の父、利害関係人から、戸籍上の父または子への「親子ではない」ことを確認する手続(親子関係不在確認の手続き)によるもの。こちらは、「推定されない場合」に、いつでもできるようです。
●300日問題対策
さて、ここから、300日問題の話に入ります。
300日問題は、離婚後300日以内に生まれた子の父親が血縁関係にかかわらず元夫となることで、それを避けるために母親が戸籍上の手続きを取らず、無戸籍の子どもが生じるなどの問題を指します。
先述したように、離婚後300日以内に生まれた子は、母が再婚した夫の血縁上の子であっても(DNA鑑定の結果がどうであろうが)、離婚前の元夫の子として戸籍に登録されてしまいます。たとえ元夫が、「その子、俺の子でなくてもいいよ」と言ってもダメなのです。当事者の合意だけでは、戸籍の内容を変更することはできません。
しかし、元夫が調停または裁判で、「元妻とは、家庭内別居状態だった」などと証明し「推定が及ばない」ことを主張すれば、元夫を父とする推定を覆せる可能性はあります 。
それでは、なぜ300日問題は発生するのでしょうか?
それは、その問題解決に元夫の協力が必要となるからです。
300日問題は、基本的に離婚とセットで発生します。そして離婚は、多くの場合、夫婦間の関係が最悪の状態で破綻することを意味します。そんな相手に協力を求めることは、酷というものです。
そして、この問題を発生させている原因の多くは、家庭内暴力(DV)を振るっていた元夫を恐れて協力を求めないことにあるのです。このようなDV元夫との離婚は、裁判所命令によって成立することが多く、DV元夫が離婚に納得していないケースも多いのです。凶暴な元夫に、自分と子の所在が知られるような協力を求めることは自殺的行為といえるでしょう。
つまり、母親は子と自分の命を守るために、出生届を出すことができず、子は無戸籍となってしまいます。
無戸籍の子は、住民票も作成されません(自治体によっては発行されるケースもあるようですが)ので、小学校や中学校への就学案内が届かず、入学できない恐れがあります。大人になっても運転免許やパスポートが取得できません。印鑑登録ができず、婚姻届も受理されません。銀行口座もつくれず、携帯電話も自分では契約できません。死亡届も受理されません。生まれてから死ぬまで、自分が存在していることを公的に証明する手段がないため、多くの行政サービスを受けられないのです。
この300日問題を平和に解決するのは、凶暴な元夫が死亡するのをひたすら祈って待つしかないのが実情です。
このような状況を鑑みて、法務省は2007年5月より、300日問題に限って、医師が「生まれた子は前夫と離婚後に懐妊した」との診断書を添付することで、離婚後300日以内に生まれた子(成人も含む)であっても、再婚後の夫を父とする出生届を認めるとしました。
生々しい話で恐縮ですが、「どの日の性行為でできた子か」を厳密に調べて、それが離婚成立日の前か後かで、戸籍上の父親が切り替わる、ということです。離婚成立前に、配偶者以外の人とのエッチを、どこで、何度しようとも、ここでは問題にはなりません(不貞行為にはなるでしょうが)。問題は「妊娠したのは、どの日の性行為か?」という、その一点のみに集約されます。
離婚成立日前の性行為による子どもである場合は、たとえ再婚後の夫との血縁上の子であったとしても、これまでと変わらず、戸籍上は元夫の子のまま、ということになります。
それにしても、「『どの日の性行為でできた子か』を、調べることなどできるのか」と疑問に思い、調べてみました。そして、なんとか以下の一枚の絵をつくりました。
一般的には、最後の生理の日から14日目くらいを「X日」とします。生理の周期(一般的には28日前後)のちょうど半分の日くらいから導かれているのだろうと思います。ところが、生理が不順な人には、この一般的な推定では不確実ですし、本人の主張だけでは証拠になりません。
そこで、妊娠8~11週頃に行われる、超音波検査の胎児の体長(頭殿長)で、X日を推定します。この頭殿長は、その胎児の違いに関係なく、概ね同じ値になるもので、かなり正確に(誤差1日単位)妊娠0週を推定できます。そして、これに14日を足したものをX日として、その前後14日間、つまり28日間のどこかが、妊娠した性行為日であると判断するのです。
その期間の最初の日が離婚の日後であれば、晴れて「推定が及ばない」ことになり、元夫の協力なしで再婚後の夫を父とする嫡出子出生届出が可能となります。
しかし、実際に計算してみてわかったのですが、この方式で300日問題から救済される人は、かなり少ないと思います。最終月経の第1日目を「妊娠0日」として280日目が出産予定日となるわけですから、「離婚後に妊娠、かつ離婚後300日以内に出産」という条件を満たすことは多くないでしょう。従って、この改正による主な救済対象は、低出生体重児、または早産児のケースといえます。
そこで、さらに法務省は08年6月、離婚後300日以内に生まれた子でも、再婚後の夫の子であると証明できる場合は再婚後の夫の子とする出生届を受理するという通達を出しました。「認知調停」です。すなわち、元夫の子を妊娠する可能性がないことを証明する書類を提出すれば、再婚後の夫の子と認めるというものです。
この調停が成立すれば、元夫の協力なしで再婚後の夫の実子として戸籍に記載されることになります。ただし「妻が元夫の子を妊娠する可能性のないことが『客観的に明白である』こと」を証明する必要があります。
しかし、ここで、私ははたと考え込んでしまいました。
「客観的に明白である」とは、どういうことなのだろうか?
離婚前に元夫と同居しつつ、別の男性(後の夫)と肉体関係があった場合は、元夫の子を妊娠する可能性を完全には否定できず、「客観的に明白である」ことにはなりません。しかし、DNA鑑定を行い、元夫の子でないことが判明すれば、それは「客観的に明白である」事実になります。
「客観的に明白である」か否かを判断するのは、裁判官でも難しいのではないかと思い、調べてみました。
その結果、案の定彼らにとっても本当に難しいことがわかりました。それは次回にお話しします。
●まとめ
では、今回の内容をまとめます。
今回は、「性同一性障害の施術で女性から男性になった人は、法律上および血縁上の父親になれるか?」を検討する上で、必要となる民法772条について、まるまる一回分を使って説明させていただきました。
(1)母子の関係と異なり、法律上の父子の関係は不安定であるため、法は結婚中に妻が妊娠した場合、その子の血縁上の父が誰であろうとも、今結婚している夫の子と推定して戸籍に記載することにしました。
(2)また、離婚後300日以内に生まれた子についても、その子の血縁上の父が誰であろうとも、離婚前の夫の子と推定して戸籍に記載することにしました。
(3)それを避けるため、母が子の出生届を出さず、無戸籍の子ができてしまうことを300日問題といいます。無戸籍の子は、社会的地位が与えられないまま、生きていかなければなりません。
(4)しかし300日問題は、離婚した元夫の協力が必要となるため、解決に至るのがとても難しく、いくつかの救済措置があるものの、この問題を完全に解消できるわけではありません。
次回こそは、「性同一性障害の施術で女性から男性になった人は、法律上の父親になれるか?」「男性から女性になった人は、赤ちゃんを産むことができるか?」について、お話しさせていただきます。
(文=江端智一)
※なお、図、表、グラフを含んだ完全版は、こちら(http://biz-journal.jp/2014/09/post_5973.html)から、ご覧いただけます。
※本記事へのコメントは、筆者・江端氏HP上の専用コーナー(http://www.kobore.net/gid.html)へお寄せください。
あるサイトへの投稿記録/ 『古事記』に夢中の毎日です。[徒然日記]
投稿日時:2014/10/09(木) 07:36
「なぜ『古事記』の研究なのか?」を、あるサイトに投稿した。
以下、投稿内容の記録です。
『古事記』に夢中の毎日です。 2014.10. 4に投稿
2014年4月1日から、私の「第二の人生」がスタートした。職場を退職する前に、ライフワークとして『古事記』の研究をすることを決めていたので、再任用の途を閉ざし「自由な時間と生活」を手に入れた。
退職前から現在に至るまで「なぜ『古事記』の研究なの?」と、多くの友人・知人から聞かれた。この問いかけに答えるために、本稿を書いてみる。
※「母との別れが私のライフワークを決めた」
2012年2月25日、母が他界した。満93歳であった。母との永遠の別れは、私の人生の中で最大の悲しい出来事だった。しかし母を荼毘に付した後、悲しい気持ちは消え「母から解放された。これからは自分の人生だ。好きなように生きたい」と思ったのである。
私がこのように思ったのは、満8歳の時に父と死別し幼心に「これからは母を支えていこう」と心に決めこの五十年間を生きてきたからである。母は父と死別した後、残された三人の子供を女手一つで苦労して育てた人である。だから私は常に「母への感謝と尊敬の気持ち」を持ち続け、母が最優先で自分は二番手との生き方をしてきた。このことで妻からはよく小言を言われたが「幼心で決めたこと」を最後まで貫徹したのである。
母と別れた後、初めて自分の人生について真剣に考えることになった。その結論は「これからは自分が最優先。夢を持って、自由奔放に生きること」であった。そして、「自分は何がしたかったのか」と自問自答した結果、「古事記の研究」がしたかったことが蘇ってきた。
そんな訳で、自分のライフワークは『古事記』の研究と決めた。将来の夢は大学院に行き『古事記』の研究を完成させことである。しかし高卒のままでは大学院進学は困難であり、やむなく2012年春に通信制大学に入学した。大学卒業資格を得るための4年間は、『古事記』の研究にとって、もったいない時間である。本当は、その時間を全部『古事記』の研究に費やしたいところだが、大卒資格を取らないと次のステップに到達しないのである。頑張るしかない。
※「なぜ『古事記』の研究なのか?」
私が『古事記』のどこに魅かれたのか。それは、ズバリ「上巻の冒頭で神が成る」との表現である。つまり、「無から有が生じる」との哲学的な文章に魅かれたのである。
『古事記』の上巻の冒頭は、次のように記載されている。
【原文】
「天地初發之時、於高天原成神名、天之御中主神。次高御産巣日神。次神産巣日神。此三柱神者、並獨神成坐而、隱身也。------------」
【読み下し文】
「あめつちのはじめのとき、たかあまはらになりませるかみのみなは、アメノミナカヌシノカミ。つぎにタカミムスヒノカミ。つぎにカミムスヒノカミ。このみはしらのかみはみな、ひとりがみなりまして、みみをかくしたまひき。------------」
【現代語訳】
「天と地が初めてひらけた時に、高天原に出現した神の名は、アメノミナカヌシノカミ。次にタカミムスヒノカミ。次にカミムスヒノカミ。この三柱の神は、それぞれ一神としての単独神であり、その姿を隠されたのである。------------」
この後も、どんどん「神」が成り続け、最後に「イザナギノカミ・イザナミノカミ」の二柱の神が成り一段落するのである。ただし「無から有が生じる」のは、ここまでである。
私が『古事記』に魅かれたのは以上のような単純な理由であるが、『古事記』を読み解いていくと非常に面白くて夢中になってしまう。とりわけ、上巻の「黄泉の国譚」、「天の岩屋戸譚」、「八岐大蛇退治譚」などは、いつも私の頭の中を駆け巡っている。
私の研究テーマは、『古事記』の上巻(神代編)の「出雲神話」である。具体的には、スサノオの「オロチ退治」から、オオクニヌシの「国造り」、そして「国譲り」までの部分である。また、『古事記』は、序文の偽書説、本文の偽書説、「歴史書」とする説、『日本書紀』の優位説等々、古より様々な論議がされている。しかし、それらの論議には加わらず、『古事記』を「漢字テキスト」の古代文学として読み解きたいと考えている。
※「退職後、半年が経過した」
私の「第二の人生」がスタートしてから、あっという間に半年が経過した。「サンデー毎日」の生活にも少しは慣れてきたところである。毎日、好きなだけ寝ることができるし、本も好きなだけ読める。まさに、自分があこがれていた生活である。ただ、不満は、収入が激減したことである。まあ「自由な生活」との引き換えだから仕方がないと自分に言い聞かせている。
退職後の課題として、「古事記の研究」と「法律研究(主に民法の家族法)」と「コンピュータ研究」と決めていた。『古事記』の研究だけでは「現実逃避」に近い生き方となってしまうからだ。だから、社会の動きと変化に機敏に反応できる自分でありたいと考えている。
以上、ダラダラと駄文を書いてきた。まとまりのない投稿文で、恥ずかしい限りです。ご容赦願います。最後に、私の「2014年5月23日のブログ記事」を紹介して投稿とします。
---------------------------ブログの記事の紹介---------------------------
ブログ投稿日時:2014/05/23(金)
表題「今年の4月から、水曜日と金曜日の2回、関学へ聴講に通っています。」
今日は、『日本書誌学』の講義日。主として江戸期の『和本』に関する講義です。この講義では、所謂「変体仮名」についても簡単なものが読めるようになると思います。
金曜日の講義には、末娘(関学4回生)も一緒に履修しており、父娘が『講義室で机を並べて講義を聞く』という、ちょっと珍しい事態が発生しています。しかしながら、毎週金曜日は、昼食とか、お茶代とか、本代とか、色々と払わされるので無収入の身には辛いものがある。
水曜日は、一人で、『日本文学特殊講義』に通っています。こちらのほうは、「江戸・明治の漢文・漢詩」の講義です。今週は、日本独自の「漢文訓読=漢語」が、現在の日本語文脈を作ってきたことについての講義でした。この講義は、非常に興味深く聞いており、38歳講師の博学ぶりには、毎回驚かされます。よく研究されておられます。講義の中身は「まとめ」をし、別のブログ(古典文学)で紹介します。
今期は、たまたま「江戸」というキーワードで「江戸文学・文化・歴史」に触れることとなったが、「江戸」は本当におもしろい時代であると考えました。
---------------------------ブログの記事の紹介---------------------------
※掲載の写真は、以下から引用させていただきました。
記事名称「ヤマタノオロチ伝説を巡る旅 in 雲南市」
http://tegost.net/hinoborinosato/kayabuki.php?pagetag=3
円周率 π は、3.05 より大きいことを証明せよ。[徒然日記]
投稿日時:2014/10/04(土) 22:59
5年前に自己流で解いた数学の問題。
私的数学塾というサイトの掲示板に投稿した解答が紹介された。
不思議なことに、数学は忘れていないのです。
なぜこのような方法を採ったのかというと、「余弦定理」を忘れていたからです。
この解法のポイントは、
「sin15°」の値が、「0.2588--」と記憶していたことです。
001 |
平成15年度前期 | 東京大学 | 理科系 | ・・・ | 三角関数(数学Ⅱ) | やや難 |
円周率 π は、3.05 より大きいことを証明せよ。
この問題は、多分受験生の意表を突いた問題ではなかっただろうか?今、巷間でも話題
になっている。新学習指導要領では、円周率は、3 として計算してもよいとされているが、
「円周率は、やっぱり 3 より大きいよね!」という東大からのメッセージではないかとい
う穿った見方もできる。
円周率 π =3.14159・・・ という知識しかない場合は、全くのお手上げ状態だったろ
うと推察される。昔、慶應義塾大学で、対数の定義を問う問題が出題されたが、教科書レ
ベルの内容にも関わらず、不意をつかれた受験生は戸惑ったらしい。
(追記) 平成20年10月15日付け
当HPの掲示板「出会いの泉」に、14日付けで、HN「カズ」さんが次のように書き込
まれた。(多少文言等を修正させていただきました。)
先日、高1の末娘が通う塾の2年次説明会で、上記の東大入試問題のことを
聞いた。三角関数の基本事項だけで証明して、娘に教えてやろうとの想いで、
自己流で証明をしてみた。
(証明方法)
(1) 半径が 1 の円Aに内接する正十二角形の12等分された1つの△ABCを考
える。このとき、円弧BC=π/6で、π>6×BC が成り立つ。
(2) 次に、BC×1/2=sin15°より、BC=2×sin15°となるので、(1)より、
π>12×sin15°となる。
(3) このとき、sin15°>0.2588 から
π>12×sin15°>12×0.2588=3.1056>3.05 となる。
(4) したがって、円周率 π は、3.05 より大きい。
この証明方法は、「余弦定理」・「加法定理」等を使用していないこと、sin15°
の近似値を用いたことにより、計算も単純で、非常に理解しやすいと思う。
(コメント) 上記の「カズ」さんの証明は、基本的に再追記で述べた面積利用の証明と
一致する。
sin15°の値を(再追記)では加法定理を用いて求めたが、次の図形から
も求められる。
上図の斜辺の計算には、二重根号を外す計算(教科書では発展レベル)が
必須である。この点を除外すれば、「カズ」さんの証明は十分高校1年レベル
と言える。証明を頂いた「カズ」さんに感謝します。
(追記) 平成20年11月3日付け
上図を用いて、sin15°の値を計算する場合、二重根号の計算は避け
られないが、下図を用いると、二重根号の計算が回避できて、sin15°
の値が求められることを、カズさんからご教示いただいた。
B=30°、C=90°の直角三角形ABCにおいて、辺BC上に、
∠ADC=45°となる点Dをとり、点Dより辺ABに垂線AHを引く。
このとき、∠DAH=15°である。
上図において、 DH=(-1)/2 なので、
sin15°=(-1)/2
=(
-
)/4
と求められる。
(コメント) 簡明に求められる図に感動しました。カズさんに感謝いた
します。
※私的数学塾より引用しています。
当該URL
本問のページ
http://shochandas.xsrv.jp/inquiry/inquiry001.htm
関学2014秋期「日本文学特殊講義3」のシラバス[古典文学]
投稿日時:2014/10/03(金) 16:40
関学2014秋期「日本文学特殊講義3」のシラバス
授業開講年度/Course Year 2014年度
管理部署/Administrative Department 文学部
科目名称/Subject Title 日本文学特殊講義 3
単位数/Credit 2 履修期/Term 秋学期
担当者/Instructor 星山 健(HOSHIYAMA KEN)
履修基準年度
Standard Year of Registration 3年
授業目的/Course Objectives テーマ「一夫多妻的結婚状況、そして厳格な身分制度のもと、男性との関係に苦しむ女性に対し、どのような救済がありうるのか」について考える。
到達目標/Attainment Objectives 「心強し」の用例に着目しながら上記の観点から王朝物語史を通観することにより、各作品の特質および研究上の問題点について理解を深める。
教科書/Textbook(s) 著者名 タイトル 発行所 出版年 ISBN ボタン
プリント配布(LUNAで各自ダウンロード)
授業時間外の学習
(準備学習等について)
Study Required Outside of Class
(Preparation etc.) 「授業計画」欄にあげられている作品に適宜目を通しておくこと
図書館に所蔵が無い場合等、OPAC検索ボタンを押下してもヒットしないことがあります。
授業計画 第1回
Class Outline Session 1 ガイダンス ―メルヘンとしての『落窪物語』―
授業計画 第2回
Class Outline Session 2 現実社会における女性の苦悩 ―『蜻蛉日記』―
授業計画 第3回
Class Outline Session 3 前期物語における女性の優位性 ―『竹取物語』かぐや姫・『宇津保物語』あて宮―
授業計画 第4回
Class Outline Session 4 「心強く」生き通せぬ女性達 1 ―『源氏物語』六条御息所―
授業計画 第5回
Class Outline Session 5 「心強く」生き通せぬ女性達 2 ―『源氏物語』落葉宮―
授業計画 第6回
Class Outline Session 6 「心強さ」を貫き通した女性達 1 ―『源氏物語』藤壺―
授業計画 第7回
Class Outline Session 7 「心強さ」を貫き通した女性達 2 ―『源氏物語』宇治大君―
授業計画 第8回
Class Outline Session 8 「心強さ」を貫き通した女性達 3 ―『源氏物語』浮舟(前半)―
授業計画 第9回
Class Outline Session 9 「心強さ」を貫き通した女性達 4 ―『源氏物語』浮舟(後半)―
授業計画 第10回
Class Outline Session 10 〈女の物語〉の継承 1 ―『夜の寝覚』巻一(前半)―
授業計画 第11回
Class Outline Session 11 〈女の物語〉の継承 2 ―『夜の寝覚』巻一(後半)―
授業計画 第12回
Class Outline Session 12 「心強き」女君の典型 ―『夜の寝覚』寝覚の君―
授業計画 第13回
Class Outline Session 13 〈女の物語〉の終焉 ―『今とりかへばや』女中納言―
授業計画 第14回
Class Outline Session 14 〈女の物語〉の果てに ―『在明の別』女君―
成績評価
Evaluation Criteria/Method 種別 Type備考 Note 割合 Percentage 評価基準等 Grading Criteria etc.
定期リポート (02) 100 % テーマについて授業内容を踏まえた上で各自考察すること
備考
Term for Classroom Use 教室情報
Classroom
1 2014年度 秋学期 火曜3時限 秋学期 B-103
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