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法学研究(民法家族法を中心として) 2014/7

20140713「不動産登記法」の単位認定試験問題の解答案

[法学研究(色々な法学・法律等)] 投稿日時:2014/07/12(土) 22:31

7月13日はスクーリングの最終日で、単位認定試験が実施される。

試験は、以下の通りの問題が出題されるとのことで、回答をまとめてみた。

あとは、これを覚えて、答案用紙に記載するだけです。

最近、記憶力が落ちてきていますので、不安なのですが、何度か書いて覚えます。(解答内容は、よく理解してます。)

 


 

20140713不動産登記法の単位認定試験

 

【試験問題】
虚偽な登記の出現を防ぐため、不動産登記法は、登記申請手続きの際どのような仕組みを採っているか説明せよ。

【問題解答】

登記には「公信力」がないとされている。また、権利登記においては、登記官に「形式的審査権」しか与えていない。
このような状況下では「虚偽な登記」の出現は防ぎきれないため、不動産登記法は、登記申請手続きの際に次のような仕組みを採用している。

 

第1に、不動産登記法60条には、登記の「真正」を担保するため、登記義務者と登記権利者の「共同申請」を規定している。
 

第2に、登記申請書に、①登記義務者に「印鑑証明書」の添付提出、②登記権利者に「住所証明書」の添付提出を義務付けている。これは登記申請人らの公的証明書による「本人確認」を通じて、登記の「真正」を担保する目的があると言える。
 

第3に、「登記済証の提出」又は「登記識別情報の提供」を義務付けていることである。従前は「登記済証」が紛失等で提出できない場合は、「保証書」を提出することで処理がされていたが、新法(平成17年度~)ではこの「保証書」制度を廃止した。
「登記済証の提出」又は「登記識別情報の提供」の義務付けは、登記申請時における「登記義務者」=「登記権利者」の同一性の確認を通じて、「なりすまし」による虚偽登記を防止する目的がある。なお、紛失等により「書面の提出・情報の提供」ができない場合は、「事前通知制度」等が設けられている。

 

第4に、申請人以外の者の申請と「疑うに足りる相当な理由」があるときは、登記官による「職権審査」の権利義務の行使が認められている。

 

以上の仕組みを採用して、虚偽な登記の出現を防止しているのである。

 


 

「不動産登記法」スクーリング第1日目

[法学研究(色々な法学・法律等)] 投稿日時:2014/07/05(土) 21:25

「不動産登記法」スクーリング第1日目

 

 初日であったので、手続法である「不動産登記法」のさわりと、「民法176・177条」についての講義。

民法の物権法の復習みたいであった。と言っても、昨年の物権法の講義は、かなり忘れていて、少し思い出した程度。

時々「再学習」しないと、忘れるものである。

昨年の物権法では、「民法177条」規定の、第三者に対する対抗要件となる登記について、よく理解したつもりだったのですが・・・残念。

講師は、弁護士資格を持つ下村先生。

評価は、講義内の小テストと最終の単位認定試験の総合評価です。「落とすための試験でない」とのことですので、全日出席すれば、単位は取得できると考えてます。

まあ、せっかくの機会なので、「不動産登記法」の基本をマスターします。

 


科目名:不動産登記法
担当教員:下村 泰

授業概要・方法等
不動産登記という制度について、その仕組みや手続を民法との関連で、どう理解するかに重点をおきながら制度の意義と構造を学習する。

学習・教育目標及び到達目標
不動産登記という制度のもつ意味を理解し、不動産取引の安全の為に、民法177条が機能する場面を考える。

成績評価方法および基準
小テストと筆記試験の総合評価による。 100%

教科書
齊藤隆夫 『集中講義 不動産登記法[第3版]』 成文堂 定価:3,500円+税

授業計画の項目・内容
不動産登記法と物権法との関連を明らかにし、登記のもつ意味を手続面と実体面から講義する。

第1回 不動産登記の意義
不動産物権変動の公示の必要性、公示方法(対抗要件主義か、効力発生要件主義か)

第2回 表示に関する登記と権利に関する登記
表示に関する登記は、職権主義がとられ、登記官に実質的審査権が付与されている。権利に関する登記は申請主義がとられている。

第3回 登記はいかなる場合に必要か
(1)登記を要する不動産
(2)登記を要する権利
(3)登記を要する権利変動

第4回 登記をすれば、どのような効力を生ずるか(1)
(1)対抗力・・・意思主義と対抗要件主義
(2)権利推定力
(3)形式的確定力

第5回 登記をすれば、どのような効力を生ずるか(2)
対抗力 民法177条の第3者の範囲

第6回 不動産賃借権と対抗要件
民法605条及び借地借家法10条
賃貸不動産の譲渡は賃貸人の地位の移転を伴うか

第7回 物権変動と登記が特に問題となる場面(1)
(1)取消と登記
(2)解除と登記
(3)時効取得と登記

第8回 物権変動と登記が特に問題となる場面(2)
相続と登記(1)相続放棄と登記
(2)遺産分割と登記

第9回 登記と公信力
民法94条2項の類推適用

第10回 登記が効力をもつための要件(1)
登記の有効要件
(実質的有効要件、登記が実体関係と符号しているか)

第11回 登記が効力をもつための要件(2)
登記の形式的有効要件
(1)二重登記
(2)登記申請意思に瑕疵のある場合

第12回 登記はどのように行われるか
申請主義、共同申請主義、登記申請行為の法的性質 登記申請能力(行為能力は必要か)

第13回 不動産登記手続の概説
登記申請の方法、申請情報、添付情報について

第14回 所有権に関する登記
(1)所有権移転、保存、更生、抹消の各登記
(2)買戻権に関する登記

第15回 相続による登記・仮登記
相続による登記の仕方及び仮登記のもつ担保的機能

定期試験